調剤ベースアップ評価料によって 薬剤師・事務員の採用・育成が変わる!

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長期収載品の選定療養が2024年10月にスタート 薬局が押さえておきたい制度の内容と加算要件

2026年度調剤報酬改定において、薬局経営者が注目したい評価のひとつが、「調剤ベースアップ評価料」です。採用市場における選ばれる薬局への転換、そして職員のエンゲージメントを高める“攻めの組織改革”を推進できる材料となります。
この記事では、調剤ベースアップ評価料の仕組みを解説するとともに、薬剤師・薬局事務員の採用・育成にどのような変化をもたらすのかを深堀りします。

1. 【2026年改定】調剤ベースアップ評価料とは

2026年度調剤報酬改定において新設される調剤ベースアップ評価料は、保険薬局に勤務する薬剤師や薬局事務員の確実な賃上げを目的とした評価です。

近年の人材不足と物価高に対応するため、処方箋1枚ごとに点数をつけることで、賃上げの原資を直接的に手当てします。2026年度と2027年度の各年で、薬剤師は+ 3.2%、薬局事務員においては+ 5.7%のベースアップをめざします。

点数は段階的に引き上げられ、中長期的に給与水準の底上げを継続する設計となっています。つまり薬局に対し、一時的な対応ではなく、持続可能な賃上げ体制の構築が求められている制度だといえるでしょう。

1-1. 算定要件-薬剤師・事務員の賃上げが条件

調剤ベースアップ評価料を算定するためには、届出や実績報告を行い、賃金改善の体制を整備することが要件となります。

主な算定要件

対象 40歳未満の薬剤師、事務員、その他薬局従事者
施設基準 ・当該保険薬局に勤務する職員がいること。
・対象職員の賃金の改善を実施するために必要な体制が整備されていること。
必要な届出 ・届出書(賃金改善計画書は作成不要)
・賃金改善中間報告書(毎年8月)
・賃金改善実績報告書(算定年度の翌年8月)

点数

処方箋の受付1回につき、以下を算定。
2026(令和8)年6月~ 4点 (処方箋受付1回につき)
2026(令和8)年6月~ 8点 (所定点数の100分の200に相当する点数)

原則として、算定によって得られた収益は、全額を対象職員(薬剤師・事務職員等)の賃金改善に充てる必要があります。定期昇給分とは別枠でのベースアップとなるため、労務管理と賃金設計の精度がこれまで以上に重要になります。

2. 今後の薬局に求められる採用・育成戦略

調剤ベースアップ評価料の本質は、人件費の補填ではなく、人材投資を前提とした経営への転換です。
ここからは、薬局の採用・育成に与える影響を具体的に見ていきます。

2-1. 賃上げ実施済で求職者にアピール

調剤ベースアップ評価料の登場により、求職者から「継続的に給与を上げる仕組みがあるか」「どれだけ職員の還元に積極的か」が重視されるようになるでしょう。制度への対応有無が、薬局の採用ブランディングのひとつとなります。

たとえば、求人票の備考欄などでは、「ベースアップ実施済み」「2027年の増点に伴う追加昇給を計画」といった訴求が有効です。

特に、若手薬剤師や未経験の事務職志望者にとって、制度に裏付けられた昇給は大きな安心材料となります。他業種との人材獲得競争においても、大きな差別化要素となるでしょう。

2-2. 付加価値を生み出す薬剤師・事務員の育成

賃金が上がるということは、経営側から見れば「1人あたりの生産性向上」が前提条件となります。調剤ベースアップ評価料は、将来的に縮小・廃止されるリスクもあるため、加算がなくても現在の給与を維持し、さらに利益を出せる組織をつくることが重要です。

薬剤師は、在宅医療への積極関与、多職種連携の推進、専門性の高い服薬指導などを通じて、高単価の対人業務を担う存在へ。
事務員は、調剤補助業務の高度化、接遇力向上、業務改善・店舗運営への参画などにより、“補助”から“戦力”へシフトすることが求められます。

薬局スタッフ全員の能力を底上げするには、育成ロードマップやキャリアパスの構築など、緻密な人材戦略が必要です。未経験者向けの研修やリーダー・管理職研修、定期的なスキルチェックなどを通じ、スタッフの成長を組織でサポートする体制を整えましょう。

2-3. 増収分を見据えた財務戦略

2027年には、調剤ベースアップ評価料の点数が、4点→8点へと倍増します。
ここで注意すべきは、一度引き上げた基本給は簡単には下げられない(不利益変更)という点です。2026年の4点分で安易なベースアップをしてしまうと、将来的に人件費が固定化し、経営を圧迫するリスクもあります。2026年の段階から、計画的な賃上げ計画を練ることが大切です。

2026年は、持続的な賃上げの土台をつくることがポイントとなります。ベースアップの仕組みを構築し、スタッフへの丁寧な説明によって、給与設計に対する納得感を醸成しましょう。

2027年からは増収分を活用し、さらなるベースアップや、成果・役割に応じたインセンティブ設計といった、メリハリのある給与体系も考えられます。

特に重要なのは、調剤ベースアップ評価料の対象外となる40歳以上の薬剤師への対応です。「若手だけ給与が上がる」という不公平感が募ると、ベテラン層のモチベーション低下や管理職・中核人材の離職といったリスクにつながります。

40歳以上の薬剤師は豊富な経験を持つ貴重な人財であり、管理薬剤師や教育担当を担うケースも多いため、「制度対象外=昇給なし」とするのは危険です。年齢ではなく、役割・責任で評価する仕組みを強化するなど、ベテラン層にとっても納得感のある処遇を検討しましょう。

3. まとめ:調剤ベースアップ評価料関連セミナーのご案内

調剤ベースアップ評価料は、単なる賃上げ対応ではなく、採用力の強化・定着率の向上・生産性の高い組織づくりを同時に実現できる制度です。効果を最大化するためには、持続可能な賃金設計や、スタッフの納得感を高める制度運用といった、戦略的な設計が欠かせません。

きらりプライムサービスでは、調剤ベースアップ評価料を「攻めの施策」へ転換したい薬局経営者の方に向けて、WEBセミナーを開催しました。

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WEBセミナー/参加費無料

こちらのセミナーの内容も、コラムにてレポートする予定です。さらに4月下旬に以下のセミナーも開催いたします。

【令和8年度 改定対応】「かかりつけ」が薬局の価値を高める
〜 ​ 新設加算の全容と、患者さんに選ばれる薬剤師への「行動変容」ガイド〜
開催日:2026年4月21日

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