調剤報酬改定で変わる「かかりつけ薬剤師」 評価が高まる「対人業務」「在宅訪問」「連携」

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長期収載品の選定療養が2024年10月にスタート 薬局が押さえておきたい制度の内容と加算要件

2026年度調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料が廃止され、実績ベースの加算が新設されます。これには、患者さんへの実質的な関わりを評価するとともに、かかりつけをすべての薬剤師が対応するべき標準業務へと引き上げる狙いもあります。

本記事では、調剤報酬改定におけるかかりつけ薬剤師の新たな評価体系と、今後評価が高まる領域について解説します。

1. かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の廃止の背景

これまでのかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は、患者さんの同意を前提に一律の点数を算定する仕組みでした。

しかし現場では、

・同意取得が形式化している
・継続的なフォローが十分に行われていない
・患者さんとの関係性が希薄なまま算定されている

といった課題が指摘されてきました。

今回の改定では、こうした課題を是正するため、同意書をもとにした包括的な評価を廃止し、具体的な行動・関与に基づく実績評価へと再編されました。
「かかりつけであること」ではなく、「かかりつけとして何をしているか」が問われる仕組みに変わったのです。

2. 【2026年改定】かかりつけ実績を可視化する新加算

かかりつけ薬剤師指導料の廃止に伴い、具体的なアクションを評価する2つの加算が新設されました。
出典:厚生労働省|令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】

2-1. かかりつけ薬剤師フォローアップ加算

かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 は、調剤後から次回来局までの間に、電話やICTツールを活用し、必要な指導を行った場合に算定できる加算です。

点数 50点(3ヶ月に1回)
対象患者 ・服薬管理指導料1のイ、2のイを算定している。
・直近6ヶ月以内に、外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2、調剤管理料の調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定している。
算定要件 調剤後〜再度処方箋を持参するまでの間に、かかりつけ薬剤師が電話等により、服薬状況、副作用の有無、残薬状況等の継続的な確認や指導を個別に実施する。
記録義務 フォローアップの旨、日時、聞き取りや指導内容を、薬歴などに記載する。

フォローアップについては電話のほかに、アプリやメール、チャットなどのICTツールも含まれます。しかし、 一斉メールの送信や、アプリのチェック入力といった形式的な確認は認められません 。アプリなどを利用する場合は、チャットで個別の状況に応じたアドバイスを行うなど、患者さんと双方向的なやり取りができるかが判断基準となります。

また、調剤当日のフォローアップや、次回来局日当日のフォローアップは対象外です。算定できる処方箋は、処方箋を発行した医療機関のものに限ります。
算定に向けて、対象患者さんのリストアップや、薬局内における薬歴記載のマニュアル作成、フォローアップの実施方法について確認しておきましょう。

2-2. かかりつけ薬剤師訪問加算

かかりつけ薬剤師訪問加算 は、かかりつけ薬剤師が、患者さんの自宅や入居施設を訪問し、残薬の整理や服薬支援を行い、医師へ情報提供を行った場合に算定できる評価です。

点数 230点(6ヶ月に1回)
対象患者 ・服薬管理指導料1のイ、2のイを算定している。
算定要件 患家に訪問し、服用薬の服薬管理、残薬状況の確認等を行い、その結果を保険医療機関に情報提供する。
記録義務 患家を訪問した旨、残薬状況、実施した指導内容等について、薬歴に記載する。

具体的には、残薬の整理や服薬カレンダーの導入、服薬タイミングの見直しなどを行い、それを医師に情報提供した際に算定できます。
在宅医療のニーズが急増する中、単なる薬の配達ではなく、薬剤師による在宅管理の質が評価対象となっています。

3. 調剤報酬改定で評価が高まる領域

今回の改定は、対物業務中心の薬局から、患者さん中心の医療提供体制への転換を明確に打ち出しています。その中でも、特に評価が高まる3つの領域について解説します。

3-1. 対人業務の進化

2026年調剤報酬改定が目指すのは、対物業務の効率化を前提とした、対人業務へのリソース集中です。

薬剤師には、患者さんの生活背景や価値観を踏まえたコミュニケーションが求められます。正しい情報提供だけでなく、患者さんが「納得して服用を継続できる状態」をつくれるかがポイントです。

対人業務を強化するには、調剤業務の自動化やICT活用による効率化、事務員へのタスクシフトといった体制づくりも不可欠です。
現場のオペレーションを見直し、患者さんに向き合う時間を意図的に生み出していく必要があります。

3-2. 医師との連携

在宅医療やかかりつけ機能の強化において、医師との連携は不可欠です。トレーシングレポートを活用し、質の高い提案ができるかが重要になります。
たとえば、副作用の経過報告、服薬状況やアドヒアランスの変化、生活背景を踏まえた治療提案など、薬学的知見に基づいた迅速かつ具体的な情報共有が求められます。薬剤師側からの能動的な働きかけが、治療の質を高めるきっかけとなるでしょう。

訪問看護師やケアマネジャー、介護スタッフといった多職種との連携も大切です。細やかに情報共有を行うことで、患者さんを中心とした一体的な支援体制が構築されます。

薬剤師は、こうした情報を集約・整理するハブとしての役割を担い、医師とともに薬物治療を最適化するパートナーとしての存在価値が一層高まっています。

3-3. 在宅訪問

高齢化が進む中、在宅医療における薬局の役割はさらに拡大しています。患者さんの生活実態を直接把握できるのは、在宅訪問の最大の特長です。食事や睡眠状況、認知機能の変化、服薬環境の課題など、来局時には見えにくい情報を把握した上で、患者さんの生活や状態に合わせた具体的なサポートにつなげることができます。

軽微な体調変化を早期に察知し、医師へ共有することで、重症化の予防にも寄与できるでしょう。
医療と介護の境界をつなぐ存在として、薬剤師の価値は今後さらに高まります。在宅訪問は、まさにかかりつけ機能の本質が問われる領域です。

4. まとめ:かかりつけ薬剤師関連セミナーのご案内

2026年度調剤報酬改定は、まさに「門前から地域へ」、「バラバラからひとつへ」という、患者のための薬局ビジョンの実現を加速させる強いメッセージが込められています。

継続的なフォローアップや在宅訪問、多職種連携といった取り組みが、これまで以上に重要性を増しています。患者さん一人ひとりに深く関わり、医療チームの一員として治療成果に貢献する姿勢が不可欠です。

こうした変化に対応するためには、制度理解にとどまらず、現場での行動変容まで落とし込むことが求められます。
そこで、きらりプライムサービスでは、今回の改定を踏まえた実践的なWEBセミナーを開催します。

【令和8年度 改定対応】「かかりつけ」が薬局の価値を高める
〜 ​ 新設加算の全容と、患者さんに選ばれる薬剤師への「行動変容」ガイド〜
開催日:2026年4月21日

令和8年度調剤報酬改定は、まさに「門前から地域へ」「バラバラからひとつへ」という患者のための薬局ビジョンの実現を加速させる強いメッセージが込められています。このセミナーでは、改定の目玉のひとつである「かかりつけ」に関する改定の裏にある真の意図を徹底解説します。

単なる点数算定に留まらず、薬剤師が明日からの日常業務で具体的にどのような行動変容を起こすべきか、その方向性を提示します。対人業務への完全シフトを求められる今、薬局が生き残るために必要な「攻めのかかりつけ戦略」を学べる機会です。薬局経営に取り組むみなさまのご参加をお待ちしております。

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