調剤報酬改定で「かかりつけ薬剤師」は行動評価へ! 薬局の価値を高める具体的な取り組みとは?

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長期収載品の選定療養が2024年10月にスタート 薬局が押さえておきたい制度の内容と加算要件

2026年度調剤報酬改定において、「かかりつけ薬剤師指導料」および「かかりつけ薬剤師包括管理料」が廃止され、新たな加算が新設されました。今後は、実質的な行動と成果を評価する体系へと移行します。

本記事では、かかりつけ薬剤師の新設加算の詳細と、加算取得に向けた具体的なアクションについて解説します。

※この記事は、きらりプライムサービスのWEBセミナー「かかりつけが薬局の価値を高める〜新設加算の全容と、患者さんに選ばれる薬剤師への『行動変容』ガイド〜」の内容をもとに作成しています。
→最新のセミナーはこちら

1. 【2026年改定】かかりつけ薬剤師の要件の変化

2026年度調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師の要件が一部緩和され、より柔軟な運用が可能となりました。

改定後(2026年度~)
算定項目 かかりつけ薬剤師指導料 服薬管理指導料1のイ
薬剤師要件 ・保険薬局勤務3年以上

・週32時間以上勤務

・当該薬局に1年以上在籍

・研修認定薬剤師の取得

・地域活動への参画
・保険薬局勤務3年以上

・週31時間以上勤務(※育児・介護等の場合:週24時間以上かつ週4日以上)

・当該薬局に6ヶ月以上在籍

・研修認定薬剤師の取得

・医療に係る地域活動への参画
人員 ・常勤薬剤師の在籍期間が平均1年以上

 または

・管理薬剤師の在籍期間が3年以上
設備 患者さんのプライバシー配慮 患者さんのプライバシー配慮

※赤字は2026年度改定による変更・追加点

出典:厚生労働省|令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】

これまで必要だった同意書は不要となり、お薬手帳への記載(薬剤師名および「かかりつけ」の明記)により算定可能となりました。

そして、かかりつけ薬剤師は独立した指導料ではなくなり、服薬管理指導料の加算として、「薬剤師フォローアップ加算」と「かかりつけ薬剤師訪問加算」が新設されています。

2. 「薬剤師フォローアップ加算」の算定条件

薬剤師フォローアップ加算は、かかりつけ患者の服薬・残薬状況の継続的なフォローアップを評価する加算です。 3ヶ月に1回、50点 を算定できます。

算定要件

かかりつけ患者であり、かつ直近6ヶ月以内に、以下のいずれかを算定していること。

・外来服薬支援料1
・服用薬剤調整支援料1または2
・調剤管理料(調剤時残薬調整加算)
・調剤管理料(薬学的有害事象等防止加算)

算定の流れ

①来局時 フォローアップ内容と自己負担額を説明し、患者さんと家族の同意を得る。
②服薬期間中 受診間隔等を踏まえ、薬学的に適切な時期にフォローアップを実施し、記録に残す。体調変化等が確認された場合は、医療機関への情報提供や受診勧奨を行う。
③次回来局時 記録に基づき、後日来局したときに算定する。

服薬期間中のフォローが前提となるため、調剤当日の対応は対象外です。また、フォローアップの実施にあたっては、一方的な定型メールやチェック方式の通知ではなく、 双方向コミュニケーションができること が条件となります。

3. 「かかりつけ薬剤師訪問加算」の算定要件

かかりつけ薬剤師訪問加算は、かかりつけ患者の自宅を訪問し、服薬管理や指導を行った際の評価です。 6ヶ月に1回、230点 を算定できます。

算定の流れ

①事前説明 指導内容と自己負担額について説明し、算定について患者さんと家族の了承を得る。
②訪問 患家を訪問し、服薬管理指導や残薬整理を行う。
③記録・情報提供 残薬状況や指導内容を薬歴に記載し、結果を医療機関へ情報提供する。

かかりつけ薬剤師訪問加算の算定対象としては、薬局来局が困難になりつつある患者さん、自己管理が難しくなってきた患者さんなど、在宅医療への移行が見込まれる層が考えられます。

なお、かかりつけ薬剤師訪問加算は、外来不薬支援料1、施設連携加算、服薬情報等提供料などとの併算定はできません。

4. かかりつけ患者を増やす4つのステップ

かかりつけ患者を増やすには、薬剤師が介入する価値を患者さん自身に実感してもらうアプローチがポイントです。ここでは、現場で実践しやすい4つのステップに整理します。

4-1. ①ターゲット層を見極める

すべての患者さんを対象にするのではなく、 価値提供できる層にフォーカスする ことで、同意取得の確度が高まります。

具体的には、以下のような患者さんが考えられます。

・ハイリスク患者
ポリファーマシーや副作用への不安を抱えている患者さん

・生活圏内の患者さん
在宅移行後も支援しやすく、緊急時の相談ニーズが高い近隣の患者さん

・世帯のキーパーソン
家族の健康管理や介護を担う世代

どの患者さんにニーズがあるかを見極めるには、日頃のコミュニケーションが不可欠です。患者さん本人はもちろん、ご家族やケアマネジャーとも関係性を築き、情報を多面的に捉えましょう。

4-2. ②薬局内の協力体制の構築

かかりつけの獲得は、薬剤師単独ではなく「薬局全体の仕組み」として取り組むことがポイントです。

①事前準備 かかりつけ候補の患者さんをリストアップする。
②受付時(事務員) 事務員が「かかりつけ薬剤師制度」について、チラシやリーフレットを配布する。
③投薬時(薬剤師) 薬剤師が改めて制度について伝え、患者さんの意向を確認する。

接点ごとに役割を分担することで、自然な流れでの声かけが可能になります。患者さんに威圧感を与えないよう、対話を重ねながら丁寧に案内していきます。

4-3. ③患者さんのペースに合わせた服薬指導

服薬指導では、一方的に指示するのではなく、患者さんの「納得」を引き出すコミュニケーションが信頼関係の構築につながります。

たとえば、 「~してください」と伝えるのではなく、

「どうすれば続けられそうですか?」
「どちらの方法が負担なくできそうですか?」

といった問いかけにより、 患者さん自身が選択できる 余地をつくります。

自ら決めた行動は遵守率が高く、服薬アドヒアランスの向上にも直結します。患者さんのライフスタイルや価値観を丁寧に引き出し、日常に寄り添った提案を重ねることで、「気軽に相談できる薬剤師」として信頼してもらえるでしょう。

4-4. ④次回の来局の動機付け

関係性を単発で終わらせず、「継続的な関係構築」につながる声掛けを意識しましょう。

たとえば、「次の受診(来局)まで、今日決めたことを続けてみてくださいね。次回にぜひ教えてください」といった一言で、患者さんの中で薬局に来る理由が生まれます。

また、服薬フォローアップは、かかりつけの同意取得を促すアクションです。「薬剤師に気にかけてもらえている」という実感が特別感を生むだけでなく、不安や副作用の早期発見、医師へのフィードバックなど、より手厚い支援にもつながります。この伴走感が、2回目来局時の同意取得や指名に結びつきます。

5. まとめ

かかりつけ薬剤師の価値は、「患者さんに継続的に寄り添うこと」にあります。医師には言いにくい不安を引き出し、ライフスタイルに合わせて服薬方法を翻訳するのは、薬剤師だからこそできる役割です。

かかりつけ患者を増やすためには、薬剤師自身のマインドセットも問われます。同意を得ることを目的とするのではなく、「お薬のことはすべて任せてください」という覚悟ある姿勢が、患者さんの信頼と選択につながります。

きらりプライムサービスでは、在宅薬局の体制構築をトータルで支援しています。かかりつけ薬剤師の採用・育成から、在宅強化や加算取得に向けた仕組みづくりまで、知っておきたいことがあればお気軽にご相談ください。

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