薬局経営で利益を増やすために検討したい取り組みと見直しポイント

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薬局経営で利益を増やすために検討したい取り組みと見直しポイント

調剤報酬改定により、保険薬局の経営は年々厳しくなっています。利益を増やすためには、薬局・薬剤師の役割を理解し、地域で必要とされる医療サービスを届けることが大切です。

今回の記事では、薬局経営で利益を出すために検討したい取り組みを5つ紹介します。薬局経営の見直しポイントもお伝えするので、経営戦略の策定にお役立てください。

1. 薬局が利益を増やすための取り組み&見直しポイント

調剤報酬改定は年々厳格化しており、経営に悩む薬局経営者の方が増えています。薬局経営で利益を増やすためには、業界の変化を受け止め、今の薬局に求められているサービスを提供することが大切です。そのためには、新サービスの導入にも前向きに取り組む必要があります。

ここでは、薬局が利益を増やすための5つの取り組みを、見直しポイントと合わせて解説します。

1-1. ①加算への対応状況の確認

薬局での加算の取得状況と目標達成に向けた取り組みを、具体的な数値として見える化しましょう。薬局の状況を明確にし、加算を取れる仕組みを整えることで、取りこぼしを防ぎます。

見直しポイント

✓ 加算の取得状況を把握しているか
✓ 目標達成までに必要なアクションがわかっているか
✓ 薬局スタッフと共有できているか

確実に加算を取得していくには、PDCAサイクルを導入するのがおすすめです。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(現状把握)、Action(分析・対策)を繰り返し、マネジメントの精度を高めていくフレームワークのことです。まずは加算の取得状況について現状把握を行い、算定できていない場合は分析・対策を検討し、目標達成に向けたアクションプランを練りましょう。

PDCAサイクルの例【在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料】

Check

(現状把握)

在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定が月1〜2回にとどまっているため、月5回以上取りたい

Action

(分析・対策)

  • 処方箋交付前に医師に同行するタイミングが少ない
  • ICTを活用できていない
  • 処方提案が苦手な薬剤師が多い

Plan(計画)

  • 医師に積極的に連絡を取り、診察に同行する機会を増やす
  • 医師とICTツールの活用について検討する
  • 薬剤師の処方提案のスキルアップを図る
  • 薬局内で処方提案の事例を共有する

Do(実行)

アクションプランを実行しながら、不足した部分を補い、PDCAサイクルを回していく

PDCAサイクルは、薬剤師だけでなく、事務員など薬局スタッフ全員と共有することが大切です。「なぜこの目標を達成する必要があるのか」「目標達成には何が必要か」ということを薬局内で共有できていると、患者さんに対しより効果的なフォローができます。

1-2. ②薬価コスト削減

近年は薬価改定により薬価の引き下げが続いていますが、薬価差益は工夫次第で増やすことができます。おすすめは、共同購入や医薬品購入交渉代行サービスの活用です。これらのサービスを活用すれば、小規模薬局でも無理なく薬価コストを抑えられます。

見直しポイント

✓ 共同購入や医薬品購入交渉代行サービスを活用しているか
✓ 上記のサービスを活用している場合、理想の割引率が実現できているか
✓ 過剰な在庫やデッドストックはないか

共同購入は、複数の薬局が同時注文・大量発注を行うことで購買力を高め、大手同様の割引率を実現するサービスです。共同購入では、多くの場合、ボランタリーチェーンに加盟することになります。ボランタリーチェーンの加盟金や発注方法についても確認が必要です。

医薬品購入交渉代行サービスは、医薬品卸への価格交渉を依頼できるサービスです。基本的に、価格交渉以外のサービスは付随せず、従来通りの取引を継続できます。

既に共同購入・医薬品購入交渉代行サービスを利用している場合は、当初の予定通りの割引率が実現できているかを見直しましょう。また、医薬品卸との関係性が悪化した、思わぬコストが嵩んでいるなど、運用にあたって問題が生じている場合、そのサービスが自薬局に合っていない可能性があります。

在庫過多やデッドストックも、キャッシュフローを圧迫する原因となります。薬局ではデッドストックの発生を完全に防ぐことは困難なため、デッドストックを解消する手段を確立しておくことが大切です。

1-3. ③人件費の見直し

一般的に、適正な人件費の水準を知るための方法として、労働分配率(付加価値に占める人件費の割合)が用いられます。

【労働分配率(%)=人件費 ÷ 付加価値 × 100】

上記の式でいう「付加価値」とは、会社が新たに生み出した価値のことです。付加価値を簡単に求める場合、 【売上高 – 外部購入価額】(控除法)で計算できます。

労働分配率の「人件費」には、給与や賞与、退職金、法定福利費、福利厚生費、教育費など、人材にかかる経費がすべて含まれます。

薬剤師は給与水準が高いため、薬局の人件費は高いのが一般的です。平均的な労働分配率は50%ですが、薬局では60%を目安にするとよいでしょう。

見直しポイント

✓ 労働分配率の割合が高すぎないか
✓ 正社員ではなくパートタイムを活用できないか
✓ 調剤補助員などを活用できているか

薬剤師の人件費を削ることは、離職や人材不足につながる恐れがあるため、おすすめできません。調剤補助員や事務員を活用したり、正社員ではなくパートタイムの薬剤師を採用したりなどの工夫をし、薬剤師の人件費は維持しながら労働分配率を下げる方法を検討しましょう。

1-4. ④デジタル活用

システムやデジタル化による薬局DXを進めることで、人件費削減や業務負担軽減が図れます。

見直しポイント

✓ 手作業によるヒューマンエラーが頻発していないか
✓ 薬剤師が負担に感じている業務はないか
✓ システム導入による費用対効果はどれくらいか

たとえば、報告書作成を手作業からデジタルへと移行すれば、記入漏れや送付ミス、手書きによる負担など、さまざまな問題を解消できます。在庫管理においても、システムを導入すれば、無理なく適正在庫を維持できるでしょう。

定型業務については、人間よりもAIのほうが得意です。ヒューマンエラーが発生しやすい業務や、薬剤師が負担に感じる業務については、積極的にシステムの導入を検討してみましょう。システムの導入には初期費用や維持費がかかるものの、薬剤師の負担を軽減できれば対人業務の質が高まり、結果的に利益アップにつながることが期待できます。

1-5. ⑤地域包括ケアシステムへの参入

薬局には、地域包括ケアシステムへ参入し、多職種と連携しながらかかりつけ薬局・薬剤師としての職能を発揮することが求められています。調剤報酬改定でも対人業務の比重が大きくなる中、地域包括ケアシステムの一員としてしっかり役割を果たすことが、ひいては加算取得にもつながります。

見直しポイント

✓ 多職種と連携し、在宅医療に取り組んでいるか
✓ 在宅患者を獲得できているか
✓ 地域や医療機関に必要とされるサービスを提供できているか

在宅医療を進めるにあたって、周辺の医療機関やケアマネジャーら多職種との連携は欠かせません。まずは周知活動を行ったり、地域ケア会議に参加したりなどして、薬局の取り組みを知ってもらうことが大切です。

在宅医療では、緩和ケアや無菌製剤などの対応を求められる場面も多々あります。薬剤師のスキルアップを図り、医療サービスの質を高めることで、患者獲得も期待できるでしょう。

2. 【在宅薬局支援】きらりプライムサービスとは?

きらりプライムサービスは、「きらり薬局」の在宅経験やノウハウを活かし、全国の在宅薬局を支援するサービスです。在宅医療への参入から在宅患者獲得、加算取得まで、在宅薬局経営のさまざまなお悩みに応えます。

きらりプライムサービスでできること

きらりプライムサービスでは、地域の実情や薬局の強みを考慮し、それぞれの薬局にふさわしい解決策をご提案します。在宅現場の経験が深い薬剤師がサポートするため、在宅薬局の事情を汲んだきめ細かなサポートができることも、きらりプライムサービスの強みです。

きらりプライムサービスでは、随時WEBセミナーも開催しています。未加盟店様もお申込みいただけるので、きらりプライムにご興味のある薬局経営者の方は、ぜひ一度ご参加ください。

まとめ

薬局が利益を上げるためには、加算を確実に算定できる仕組みを作り、薬局スタッフ全員で加算取得をめざすことが大切です。また、サービスやシステムを活用し、薬価コストや人件費も見直しましょう。在宅薬局に力を入れ、地域包括ケアシステムの一員として役割を担えば、在宅薬局としての価値も高められます。

きらりプライムサービスは、「在宅訪問を始めたい」「在宅薬局の経営に悩んでいる」といったお悩みに応え、地域密着型経営の薬局を支援するサービスです。きらり薬局が長年培ってきた在宅ノウハウをお伝えし、在宅薬局の体制整備をサポートします。在宅薬局にお悩みの薬局経営者の方は、ぜひきらりプライムサービスにお問い合わせください。

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監修薬剤師:原 敦子
HYUGA PRIMARY CARE株式会社
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【当コラムの掲載内容に関するご注意点】
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