薬局経営者は必見!在宅患者を増やすためのマーケティングノウハウ

マーケティングができる薬局は、在宅医療で優位に立てます。従来の門前薬局に多い受け身のスタイルでは、薬局業界の競争を生き抜くことは困難です。在宅訪問を始めたものの、患者さんが増えずに悩んでいる薬局は、ぜひマーケティングに踏み出してください。
この記事では、在宅患者獲得にお困りの薬局経営者の方に向けて、患者獲得のためのマーケティングノウハウを詳しく解説します。
1. 薬局の患者集客に在宅訪問が効果的な理由
外来での集客に悩んでいる薬局は、早めに在宅医療へ参入することをおすすめします。今後、高齢者の増加に伴い在宅訪問の需要は増し、国としても薬局の在宅医療への参入を促進しているためです。
2025年、すべての団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上となる超高齢社会を迎えます。医療・介護の安定的な提供を維持するために、重要視されているのが在宅医療です。各自治体でも、高齢者が住み慣れた土地で最期まで自分らしく過ごせるよう、地域包括ケアシステムの構築を急いでいます。
在宅医療で安全な服薬療法を提供するには、薬局・薬剤師の関与が欠かせません。かかりつけ薬局となるためにも、在宅対応は必須要件となっています。主体的に在宅医療に取り組み、地域密着型の薬局経営をめざしましょう。
2. 在宅患者獲得のためのマーケティングノウハウ
在宅訪問をスタートしたとはいえ、在宅患者さんを確保できずに悩む薬局も少なくありません。調剤薬局が過剰に増えた今、患者さんから「選ばれる薬局」となるためには、薬局側から能動的にアピールしていく必要があります。
ここでは、在宅患者獲得のためのマーケティングノウハウをお伝えします。
2-1. ①エリア・競合・顧客を分析する(商圏分析)
薬局は地域と密接な関わりがあるため、地域特性に応じて戦略を練るエリアマーケティングが効果的です。エリアマーケティングでは、地域の特性や競合薬局の状況を把握するために、商圏分析を行います。
商圏分析で調査すること
人口動態 |
人口の出生・死亡・結婚・離婚・移転などを調査し、対象エリアの今後の人口を予測する |
ライフスタイル |
地域住民の年齢・性別・世帯構成・活動時間帯・移動手段などを調査し、ニーズを探る |
競合分析 |
競合店の立地・サービス・規模などを分析し、地域住民の利用ニーズや自薬局の強みの創出に活かす |
フィールドワーク |
人が集まる場所、ターゲットが多い場所、商圏バリアなどを確認する |
人口動態や人口特性を調べる際には、総務省統計局「国勢調査」や厚生労働省「人口動態統計」、各自治体の統計データなどが活用できます。
データだけでなく、実際に対象エリアを自分の足で歩き、人の流れや歩きやすさを確認することも大切です。競合店舗も視察し、店舗の雰囲気や患者さんの様子を調査しましょう。
2-2. ②薬局独自の強みをつくる
商圏分析のデータをもとに、競合店舗と差別化できるポイントをつくり、薬局の強みを明確にします。
たとえば、これから子育て世帯が増えそうな地域であれば、子どもやママをターゲットにした店舗づくりに取り組むことで、地域ニーズに対応できます。認定薬局がない場合は、地域連携薬局や専門医療機関連携薬局の認定をめざすと差別化が図れるでしょう。
薬局の強み・PRポイントの例
- キッズスペースが充実している
- 待合が広く、車いすやベビーカーでも利用しやすい
- 抗がん剤がん等の特殊な調剤にも対応できる(専門医療機関連携薬局)
- オンライン体制が整備されている
- 健康相談ができる(健康サポート薬局)
- 医療機関との連携が強い
- 専門資格を保有する薬剤師が在籍している
- 漢方の相談もできる
競合店舗にはない施策を取り入れて、独自性を持つことが大切です。患者さんに「あったら嬉しいサービス」を聞いてみて、参考にしてもよいでしょう。
2-3. ③医療機関や施設に営業を行う
薬局のPRポイントを盛り込んだパンフレットやチラシを作成し、地域の医療機関や介護施設などへ営業活動を行います。商圏分析で見込みが高いと判断できた施設を中心に回ると効率的です。
多くの医療機関は、どの薬局が在宅対応をしているのかを把握しきっていません。薬局が積極的に周知活動を行い、医療機関に存在を知ってもらいましょう。在宅患者さんの多くは医師からの紹介であるため、医療機関とのつながりができれば在宅患者獲得のチャンスが生まれます。
2-4. ④WEBマーケティングを強化する
地域住民に薬局のサービスを知ってもらうために、インターネットを活用しましょう。継続的に情報発信をすることで、少ないコストで大きな集客効果が見込めます。
- SEO対策
Googleなどの検索エンジンで、上位表示するための対策です。「エリア名 在宅薬局」で検索した際に上位に表示されれば、その地域で在宅訪問を必要とする人にアピールできます。SEO対策は継続的に取り組むことが大切です。薬局内にノウハウがない場合は、外部にSEO対策を依頼するとよいでしょう。
- MEO対策
Googleマップ上で、店舗の検索順位を上位に表示させるための対策です。上位表示されれば、その地域での競争優位性を確保できます。SEOに比べて競合が少なく、ローカルビジネス向けの施策なので、薬局のマーケティングにもぜひ取り入れましょう。
- SNS
X(旧Twitter)、Instagram、LINE公式アカウントなどを運用し、薬局の認知度を高めます。既存患者さんとの関係性を深め、薬局のファンをつくるために効果的です。LINE公式アカウントを活用すれば、処方箋受付やオンライン服薬指導、健康相談なども行えます。
3. きらりプライムサービスの「在宅患者獲得サポート」とは?
きらりプライムサービスの「在宅患者獲得サポート」は、在宅患者獲得に向けた具体的な戦略を検討・実施するサービスです。単なる営業代行ではなく、PRポイントの創出やツール作成、営業同行、営業手法のレクチャーなど、薬局の営業活動のすべてをイチからサポートいたします。
薬局と地域にぴったりな営業戦略をご提案し、効果の高い営業ができるのは、在宅薬局経営を長年続けてきた「きらり薬局」のノウハウがあるからこそ。営業に同行し、実践的な営業ノウハウも学んでいただくことも可能です。
在宅患者さんを増やしたい、営業を外部委託したいといった悩みをお持ちの薬局経営者の方は、ぜひきらりプライムサービスの「在宅患者獲得サービス」にご相談ください。
まとめ
これから在宅患者さんを増やしたい薬局は、地域や住民の特性を調査してエリアマーケティングを実施しましょう。薬局独自の強みをつくると、競合店舗との差別化が図れます。医療機関や関連施設へ営業活動を行い、医療関係者からの認知度を高めて、在宅患者獲得へつなげましょう。
在宅薬局の経営をサポートするKIRARI PRIME サービスでは、在宅患者獲得のお悩みも受け付けています。その地域や薬局の強みに応じて、最適な在宅患者獲得手法を考案し、営業活動をサポートいたします。在宅にまつわる加算算定、在宅患者獲得についてお困りの薬局経営者の方は、ぜひKIRARI PRIME サービスにお問い合わせください。
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監修薬剤師:原 敦子
HYUGA PRIMARY CARE株式会社
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