初めての薬局経営者は必見!医薬品購入代行・共同購入のメリットと始め方

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初めての薬局経営者は必見!医薬品購入代行・共同購入のメリットと始め方

医薬品購入交渉代行・共同購入は、医薬品購入コストの削減が期待できるサービスです。特に、医薬品卸との価格交渉に不利である小規模薬局は、医薬品購入交渉代行・共同購入を利用することで、医薬品購入額の適正化が実現できるでしょう。

本記事では、医薬品購入交渉代行・共同購入の概要とメリットを伝え、サービスを選ぶポイントを解説します。きらりプライムサービスの医薬品購入交渉代行の強みについてもお伝えするので、コスト削減にお悩みの薬局経営者の方は、ぜひご覧ください。

1. 医薬品購入交渉代行・共同購入とは

医薬品購入交渉代行・共同購入とは、薬局と医薬品卸の間に第三者となる企業が介入し、価格交渉等を行うサービスのことです。医薬品購入交渉代行と共同購入は、どちらも医薬品購入コストの削減効果が期待できるものの、厳密には異なるサービスを指します。

  • 医薬品購入交渉代行:第三者の企業が、医薬品卸への価格交渉を代行すること
  • 共同購入:ボランタリーチェーン(*)等のグループに加盟し、複数薬局の同時・大量発注によって、低価格での仕入れを実現すること

(*) 複数の独立した小売店が連携して組織化し、仕入れや物流などを協力して行う団体のこと

近年は薬価の引き下げによって医薬品卸の経営が圧迫されており、薬局側からの価格交渉も受け入れられにくくなっています。しかし、医薬品購入交渉代行・共同購入を利用すれば、グループ単位での大量購入が可能となるため、小規模薬局でも仕入れ価格を下げることができるのです。

1-1. 医療機関における医薬品購入コスト削減に向けた取り組み

独立行政法人福祉医療機構では、2020年度に病院における医薬品等の購入に関するアンケートを実施し、123病院からの回答を得ました。この調査において、過去3年度における医薬品購入額が増加したと回答した病院は、54.5%と半数以上を占めています。

調査では、医薬品購入コスト削減に向けた施策として、SPDの導入・共同購入・医薬品等の標準化の3つを取り上げ、それぞれの導入割合を確認しました。

SPD(物品・物流管理システム) の導入

54.5%

共同購入の実施

35.8%

フォーミュラリによる標準化(自院で同種同効の医薬品等の使用品目の絞り込むこと)

53.7%

共同購入はSPD導入に比べると、「購入価格が引き下がる」という回答が多くなりました。ただ、SPD導入やフォーミュラリによる標準化は自社単独で行えるのに対し、共同購入は他社との協力が不可欠となるため、実施のハードルが高くなっていると窺えます。

WAMでは、医薬品購入額の適正化は、複数の取り組みを実施することで効果が高まると分析しています。薬局でも、在庫管理システムの導入やデッドストック削減等の施策と合わせて、医薬品購入交渉代行・共同購入を実施することで、より高いコスト削減効果が得られるでしょう。

(出典:独立行政法人福祉医療機構 WAM NET「2020年度(令和2年度) 病院における医薬品・医療材料・医療消耗器具備品の購入に関するアンケート結果について」)

2. 医薬品購入交渉代行・共同購入のメリット

医薬品購入交渉代行・共同購入のメリットは、医薬品購入コスト削減だけに留まりません。ここでは、薬局が医薬品購入交渉代行・共同購入を実施する、4つのメリットを紹介します。

2-1. 価格交渉のストレスから解放される

医薬品購入交渉代行・共同購入を利用すれば、煩雑な価格交渉をプロの営業マンに任せることができます。医薬品卸に自ら価格交渉を行う必要がないので、薬局業務に集中できるでしょう。

毎年行われる薬価改定では、基本的に薬価は引き下げられます。2024年度薬価改定でも、薬価は医療費ベースで0.97%引き下げられる方針です(*)。薬価改定のたびに価格交渉を行うのがストレスとなっている薬局は、医薬品購入交渉代行・共同購入を利用して、業務負担軽減を図りましょう。

医薬品卸との関係性悪化を恐れている薬局も、医薬品購入交渉代行・共同購入を利用すれば、ストレスなく価格交渉に踏み切ることができます。長年付き合いのある医薬品卸と良好な関係を保ちつつ、コスト削減も叶えられます。

(*)(出典:厚生労働省「診療報酬改定について」)

2-2. より高い割引率が実現できる

多くの場合、医薬品購入交渉代行・共同購入を利用すると、薬局単独で価格交渉を行うよりも、より高い割引率が適用されます。医薬品購入交渉代行・共同購入の強みは、加盟店ネットワークを活かしたバイイングパワーにあります。この強力な購買力によって、薬局単独では難しい交渉も、成立しやすくなるのです。自社での単独交渉に限界を感じている薬局は、医薬品購入交渉代行・共同購入の利用を検討するとよいでしょう。

また、価格交渉を担当するのは営業のプロであるため、薬局スタッフが交渉を行うよりも、より良い条件での取引成立が期待できます。利用する医薬品購入交渉代行・共同購入の営業力が高いほど、価格交渉も優位に進むでしょう。

2-3. デッドストックを活用できる

医薬品購入交渉代行・共同購入の加盟店ネットワークを活かし、デッドストック(不動在庫)の交換・売買ができるサービスもあります。デッドストックは倉庫スペースだけでなく、経営を圧迫する要因にもなるため、不要な医薬品は早めに有効活用することが大切です。

特に、経営店舗数が少なく、社内で在庫のやり取りができない小規模薬局は、デッドストックの取引もできるサービスを選ぶと一石二鳥です。デッドストック活用については、加盟店同士で物々交換をしたり、お金で買い取ったりとさまざまな方法があるので、サービスの仕組みを確認しておきましょう。

2-4. 薬局経営の投資余力が生み出せる

医薬品購入交渉代行・共同購入でコスト削減が実現すれば、新たに人材育成や備品購入へ投資することができます。特に在宅薬局は、オンコール体制の構築やシステム導入等、体制整備にコストがかかります。削れる部分はしっかり削り、必要な投資余力を生み出しましょう。

在宅医療では患者さんの症状が多様で、処方薬も多い傾向にあるため、必然的に薬局で扱う医薬品も多くなります。在宅患者さんに必要な薬を不足なく揃えるためにも、医薬品購入交渉代行・共同購入を利用してコスト削減を図りましょう。

3. 医薬品購入交渉代行・共同購入を選ぶポイント

さまざまな企業や団体が、医薬品購入交渉代行・共同購入のサービスを実施しています。それぞれ利用規定やコストが異なるので、薬局にとってメリットの大きいサービスを選びましょう。

ここでは、薬局の医薬品購入交渉代行・共同購入選びで、押さえておきたいポイントを解説します。

3-1. 既存の医薬品卸との関係を継続できる

医薬品購入交渉代行・共同購入の中には、指定された医薬品卸からでなければ購入できないケースもあります。これは、「複数の薬局が、同じ医薬品卸から大量に購入して仕入れ値を抑える」という共同購入の性質によるものです。規模の小さいボランタリーチェーンほど、医薬品卸を自由に選べない傾向が強くなります。

懇意にしている医薬品卸との関係を続けるためには、卸会社の指定がない医薬品購入交渉代行・共同購入を選ぶことが大切です。医薬品卸との関係性を尊重してくれるサービスであれば、長く付き合っていけるでしょう。

3-2. 医薬品の購入指定や発注システムの変更が必須ではない

医薬品購入交渉代行・共同購入によっては、購入医薬品や発注システムが指定されていることもあります。購入医薬品が指定されている場合、薬局に不要なものはデッドストックとなる可能性もあるので注意が必要です。また、発注システムの切り替えが必要な場合は、新たにソフトウェアをダウンロードしたり、操作マニュアルを作成したりと、面倒な手続きが発生します。操作に慣れるまでは、スタッフの負担も大きいでしょう。

医薬品購入交渉代行・共同購入の発注・支払い方法は、主に下記の2通りがあります。

①従来通り、医薬品卸への発注・支払いが続けられる

②サービスを経由して発注・支払いを行う

注意したいのが、「②サービスを経由して発注・支払いを行う」ケースです。発注・支払いに第三者が介入するにあたって、発注システムが指定される例が多くなっています。

後述しますが、仕入れ情報の機密性保持の観点からも、発注システムの変更はあまりおすすめできません。薬局内でのトラブルを防ぐためにも、従来通りの発注を継続できるサービスを選ぶと安心です。

3-3. 加盟コストとランニングコスト、費用対効果に納得できる

医薬品購入交渉代行・共同購入の利用にあたって、入会金や加盟金、月会費など、発生するコストを確認しましょう。たとえ医薬品購入コストがダウンしても、月会費が高額であれば、期待するほどのコスト削減効果は見込めません。費用対効果を算出し、サービスの比較検討を行うことが大切です。

また、医薬品購入交渉代行・共同購入の中には、契約期間が指定されており、契約期間外の解約に際して解約金が発生することもあります。契約期間の有無を確認し、無理なく利用を継続できるかを検討しましょう。

良心的なサービスであれば、導入前に明確なシミュレーションを出してもらえます。コストについてしっかり納得するのはもちろん、信頼性の高いサービスを選んで契約することがポイントです。

3-4. 仕入れ情報の機密性が保持できる

医薬品の購入履歴は患者さんの情報に関わるので、不正アクセスや情報漏洩は許されません。医薬品購交渉代行・共同購入の情報セキュリティに対する意識を確認し、安全に利用できることを十分確認した上で利用しましょう。

特に、発注システムの指定がある場合は要注意です。発注システムの多くは在庫管理機能やAIによる自動発注機能を兼ね備えており、これらを活用するには薬局の在庫情報を預ける必要があります。発注作業を効率化できるというメリットはあるものの、薬局の内部情報を預けるという点では、慎重に検討すべき部分です。

とはいえ、すべての発注システムが機密性に劣るわけではありません。大切なのは、情報セキュリティの面で信頼できるかどうかを、自分の目でしっかり確認することです。

4. シンプルで安全なKIRARI PRIMEサービスの医薬品購入交渉代行

在宅薬局経営を支援するKIRARI PRIMEサービスでは、医薬品購入交渉代行・デッドストック活用もサポートしています。全国で1900店舗以上になる加盟店ネットワークを活かし、大手同様のスケールメリットで調達・再配分を実現します。

KIRARI PRIMEサービス「医薬品購入交渉代行」のポイント

  • 既存の医薬品卸との関係性はこれまで通り継続できます
  • 医薬品の購入指定・医薬品卸の指定はありません
  • 発注システムの指定はありません
  • 契約期間や違約金はありません
  • コストは契約成立手数料のみ発生します
  • 導入前に薬価差益シミュレーションをご提示します

KIRARI PRIME サービスの医薬品購入交渉代行では、発注や支払い先は変わらず、医薬品卸と従来通りの取引を継続していただけます。価格交渉のみを代行するため、弊社が各薬局の仕入れ内容に関知することはありません。薬局にとって重要な仕入れ情報をしっかり守りつつ、医薬品購入コストの削減が図れます。

また、KIRARI PRIME サービスの加盟店ネットワークを活かし、デッドストックのマッチングサービスも行っています。ぜひ、薬剤廃棄ロスの削減にお役立てください。

きらりプライムの関連サービスはこちら

まとめ

医薬品購入交渉代行・共同購入とは、薬局と医薬品卸の間に第三者の企業が介入し、価格交渉等を代行するサービスのことです。サービス加盟店のネットワークを活かし、高い割引率で仕入価格の交渉が行えます。

医薬品購入交渉代行・共同購入を選ぶ際には、医薬品卸や発注システムの指定がなく、費用対効果が高いものがおすすめです。契約期間や機密性にも注意し、慎重に比較検討を行いましょう。

KIRARI PRIMEサービスでは、在宅薬局支援の一環として、医薬品購入交渉代行・デッドストック活用サポートも行っています。医薬品購入交渉代行では、医薬品卸との関係性はそのままに、従来通りの取引を継続することが可能です。また、医薬品購入コスト削減によって生み出した投資余力を、在宅薬局体制整備に活用する方法についてもアドバイスしております。医薬品購入コストや在宅医療推進にお悩みの方は、ぜひKIRARI PRIMEサービスにお問い合わせください。

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監修薬剤師:原 敦子
HYUGA PRIMARY CARE株式会社
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【当コラムの掲載内容に関するご注意点】
1.当コラムに掲載されている情報につきましては、事実や根拠に基づく執筆を心がけており、不適切な表現がないか、細心の注意を払っておりますが、その内容の正確性、有効性につき何らかの保証をあたえるものではなく、執筆者個人の見解である場合もございます。あくまで、読者様ご自身のご判断にてお読みいただき、ご参考に頂ければと存じます。
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