調剤薬局はどうしたら儲かるの?上手に経営を回す方法!

調剤薬局の経営を安定させるために大切なのが、利益率をしっかりと確保することです。いくら売上が増えても、利益率が低迷していては意味がありません。
利益をしっかり確保して儲けを出すには、どのような方法があるのでしょうか。今回は、薬局経営を上手に回す方法やこれだけは避けたい注意点などを詳しく解説します。
目次
薬局数の推移
薬局数は、年々増加している傾向にあります。2000年の薬局数は46,763店舗でしたが、2020年には60,951店舗と、20年で約13,000店舗も増えているのです。
高止まりするわけでもなく、減少傾向に傾くわけでもない状態が続いていることから、調剤薬局の需要はまだまだ伸び続けると考えられるでしょう。
薬局経営は儲かるのか?
厚生労働省が行った令和3年実施の医療経済実態調査の結果を見てみると、保険調剤を行っている調剤薬局の1店舗あたりの売上は約1億729万円、ここから給与費や医薬品費、税金などを引くと約950万円でした。ここから利益率を計算すると、約5.5%です。
1店舗あたり約950万円の利益が出ているため、儲かるか儲からないかと聞かれたら儲かると言えるでしょう。薬局経営は一昔前と比べると経営が厳しくなったと言われることがありますが、今でも十分に儲けを出すことはできると言えます。
ただし、何も考えずに薬局の経営を始めても儲けを出せるほど簡単なものではありません。経営をうまく回すためには、さまざまな対策を行いながら、利益を取りこぼさないような工夫が必要です。
薬局経営を上手に回す方法
では、どのような方法で利益を最大限に上げることができるのでしょうか。ここでは、薬局経営をするうえでまずは押さえておきたい5つの方法を紹介します。
処方箋を集める
薬局経営を回すためにもっとも大切なのは、処方箋を集めることです。令和3年実施の医療経済実態調査を見ると、薬局の収益のうち約97%は保険調剤収益が占めていることが分かります。
つまり、処方箋が集まらなければ薬局の収益は上げられないのです。処方箋を集める方法としては、次のものが挙げられます。
- かかりつけ薬局を目指す
- 地域に根ざした薬局を目指す
- 物販に力を入れる
- LINE公式アカウントを運用する
まず手をつけたいのが、かかりつけ薬局を目指すことです。かかりつけ薬局として機能すれば、リピーターの確保につながるため必然的に処方箋枚数を増やせます。
地域のイベントに参加してお薬相談会などを行うことで薬局のファンを増やしたり、ニーズの高い物販を揃えたりするのも有効です。
また、LINE公式アカウントを運用するのもよいでしょう。同時にLINE上から処方箋を受け付けられるようにすれば、待ち時間を短縮したいと考えている患者さんの獲得にもつながります。
施設営業へ行く
近隣の医療機関・施設に営業(周知活動)に行きましょう。スタッフの方に薬局の存在を知ってもらうことで、患者さんに紹介してもらえる可能性が増えます。
また、薬局の特徴や機能について紹介したリーフレットを作成し、院内に置いてもらえないか交渉するのもおすすめです。リーフレットを見た患者さんが薬局に興味をもってくれれば、客数の獲得につながります。
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加算を逃さないようにする
保険調剤収益をベースから上げるためには、取れる加算をしっかり取ることが大切です。一つ一つの加算は小さなものですが、塵も積もれば山となり、やがて大きな差になります。
後発医薬品調剤体制加算や地域支援体制加算を取れるようにしたり、積極的にトレーシングレポートを作成して服薬情報等提供料を取ったりすることで算定できる加算を増やすことが可能です。
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人件費を抑える
人件費は、全国の薬局平均として約20%を占めています。また医薬品の費用が約70%になり、人件費は医薬品の費用と比べれば少ないものではありますが、決して侮れる金額ではありません。家計の見直しをするときに家賃や通信費などの固定費を見直すのと同じで、薬局経営でも固定費にあたる人件費の見直しが大切です。
正社員を増やすべきか、それともパートで大丈夫そうなのか労働分配率を計算して確認しましょう。なお、利益ばかり追求するあまり、過度に人員削減をすることがないよう注意してください。スタッフに負担がかからない範囲で行うことが前提です。
薬価差益を活用する
薬価差益とは、仕入れ値と薬価の価格差のこと。薬価差益はどんどん少なくなってきているので、大きな収益を生むことは難しくなっています。そのようななかで薬価差益を少しでも確保するためには、共同購入やボランタリーチェーンなどを活用するとよいでしょう。
共同購入とは、薬局と医薬品卸との間に別の会社が入って価格調整を行ってくれるサービスのことです。ボランタリーチェーンとは、同じ目的のもと組織化した団体を指しますが、薬局業界では、仕入れを効率的に行う目的で活用することが多いです。
小さな薬価差益も積み重なれば薬局経営に大きな影響を与えるものになるため、しっかり対策をすることが大切です。
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調剤薬局を経営する際の注意点
薬局経営は、いかにして利益を残せるかを考えながら行っていく必要があります。最初のうちは、いろいろなものへ手を出してしまうかもしれません。
しかし、やみくもに経営を行っていると思わぬ落とし穴にはまる可能性がもあるので注意しましょう。
採算が合わないM&Aを実施する
経営している調剤薬局を大きくするためには、M&Aを行うのもよいでしょう。後継者がいない薬局を継いだり、会社を買収したりすることで経営の基盤を強化できます。
しかし、安易にM&Aを行うのはおすすめできません。まず、M&Aを行うだけでも着手金や中間金などを合わせて1,000万円以上の費用がかかるケースがあります。
また、経営状況が悪く、思うように利益が出ないこともあるでしょう。採算が取れるかをしっかりシミュレーションしたうえでM&Aを行うことが重要です。
人材紹介会社に頼り過ぎない
薬局で働くスタッフを募集するために、人材紹介会社を使うこともあるでしょう。簡単に多くの求職者とマッチングできるため、人材紹介会社はとても便利です。採用までのスピード感もあり、経営者に手間にかかる手間も最小限で済みます。
しかし、人材紹介会社はほかの人材募集の方法と比べると、採用費用が高額になりやすいことが大きなデメリットです。人材紹介会社のみに頼るのではなく、費用が少なく済むハローワークや自社ホームページ、SNSなども活用して人材を確保するようにしましょう。
まとめ
調剤薬局の経営をうまく波に乗せることができれば、今の時代でも十分に儲けを出すことができます。しかし、無計画に経営をしてもうまくいきません。まずは収益の基盤となる処方箋を集め、加算の取り逃しを防いだり人件費を抑えたりして利益を作っていくことが大切です。
ただし、採算の合わないM&Aを行ったり、人材紹介会社に頼りっきりにしたりしないよう注意しましょう。取れるところは取り、削れるところは削ることが薬局経営を成功させる基本です。
また、きらりプライムでは、売上貢献のため、在宅患者獲得をはじめとした加算獲得のトータルサポートを行っております。お気軽にお問い合わせくださいませ。
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監修薬剤師:原 敦子
HYUGA PRIMARY CARE株式会社
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