薬局の在宅訪問サービスを軌道に乗せる在宅患者獲得の事例とノウハウ

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在宅薬局として地域医療の中で活躍するには、在宅体制を整備した上で周知活動を行い、医療機関や患者さんから求められるサービスを提供し続ける必要があります。

今回の記事では、薬局が在宅患者さんを獲得するためのポイントを解説し、きらりプライムサービスを活用した在宅患者獲得事例をご紹介します。在宅にお悩みの薬局経営者の方は、ぜひお役立てください。

1. 薬局の在宅患者獲得のポイント

薬剤師が在宅訪問を開始するまでには、以下4つのパターンがあります。

医師の指示型 医師・歯科医師からの指示により、在宅訪問を開始します。在宅患者獲得で最も多いのがこのパターンです。
薬局提案型 薬剤師が患者さんについて在宅訪問の必要性があると判断し、医師へ訪問指示を依頼します。
多職種提案型 ケアマネジャーや訪問看護師、家族等から相談を受けて、薬剤師が訪問の必要性を確認し、医師へ情報提供を行います。
退院時カンファレンス型 患者さんが退院して在宅医療へ移行する際に、在宅訪問を担当する薬局として指定を受け、退院時カンファレンスに参加します。

在宅訪問を開始するには、医師からの訪問指示が必要です。したがって、「B:薬局提案型」と「C:多職種提案型」では、薬剤師から医療機関へ情報提供を行い、医師に訪問指示を出してもらう形となります。

それでは、上記4つのパターンを押さえた上で、より多くの在宅患者さんを迎え入れるために、薬局が取り組むべきポイントを見ていきましょう。

1-1. 在宅訪問の体制を整える

在宅薬局としての利用価値を高めるために、在宅訪問に必要な設備や人材を揃えて医療サービスの質を向上します。在宅薬局のオペレーションやサービスは、外来とは大きく異なります。外来店舗から在宅薬局へと変更する際は、店内レイアウトから使用するシステム、薬局スタッフの意識にいたるまで、さまざまな方面からのアプローチが必要です。

具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

  • 在宅薬剤師の採用や育成
  • 事務スタッフへの教育
  • 在宅に適した動線づくり
  • 使用するシステムの選定
  • 麻薬調剤への対応
  • 夜間・休日対応体制

在宅医療に力を入れるなら、クリーンルームの設置や調剤ロボットの導入なども検討したいところです。在宅患者さんの疾患や人数に応じて、段階的に設備の充実もめざしましょう。

1-2. 「受け入れ基準」を明確化する

在宅薬局として活躍するには、医療機関や介護施設が「この薬局に相談しよう」と思える、決め手となる強みを作りましょう。薬局の強みを考える上で重要となるのが、在宅患者さんの「受け入れ基準」です。在宅患者さんの受け入れ基準を医療機関へ伝えておくと、患者さんの紹介を受けたときのミスマッチが減少し、受け入れがスムーズに行えます。

薬局の在宅患者さんの「受け入れ基準」を考えるポイント

  • 受け入れ可能な患者さんの症状・疾患
    (例:終末期の患者さん、小児在宅患者さん等)
  • 対応可能エリア
    (例:車で片道15分圏内、薬局から8km以内等)
  • 薬剤師のスキル
    (例:緩和薬物療法認定薬剤師、在宅療養支援認定薬剤師等)

たとえば、「麻薬調剤が可能で、終末期の患者さんに対応できる」と事前に伝えていれば、医療機関から受け入れ基準に応じた患者さんを紹介してもらえるでしょう。

受け入れ基準に準じて、「緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取る」「複数の種類や剤型の医療用麻薬を常備する」など、薬局の強みを強化させるための施策も見えてきます。

1-3. 医療機関や施設との連携を密にする

在宅薬局の強み(受け入れ基準)を明確化できたら、周辺の医療機関や介護施設等へ積極的な周知活動を行います。

医療機関や施設との信頼関係の構築には時間がかかりますが、薬剤師が繰り返し足を運ぶと、徐々に関心を持ってもらえます。特に、薬局の強みを活かせる医療機関や施設は見込みが高いため、重点的に訪問しましょう。

すでに付き合いのある医師やケアマネジャー等とは、日頃から密に情報共有を行い、連携を強化します。信頼関係を築く第一歩は、意識的に多くの接点を持つことです。実際に顔を合わせる機会が少なくても、ICTツール等で相手に役立つであろう情報をこまめに提供するうちに、「この薬剤師は気が利く」「相談しやすい」などの好印象を持ってもらえます。

薬剤師側からも、気になる点やわからないことがあれば、積極的に質問しましょう。頼られることに、悪い気がする人はいません。在宅医療・介護での多職種連携は、お互いに専門職であるがゆえに難しいとされていますが、薬剤師側から歩み寄ることで信頼関係のきっかけが生まれるでしょう。

2. きらりプライムサービス活用による在宅患者獲得の事例

在宅医療の患者獲得にあたっては、これまで調剤薬局が無縁であった営業力や主体性が問われます。きらりプライムサービスでは、在宅患者獲得に悩む薬局に向けて、さまざまなサポートを行っています。ここでは、きらりプライムサービスの活用によって患者獲得に成功した事例を紹介します。

2-1. 在宅訪問のノウハウをレクチャー

在宅訪問の必要性は感じているものの、「そもそも在宅のことがわからない」という薬局には、在宅の始め方や在宅訪問の流れ、薬剤師の基礎知識などを伝える研修を実施します。

熊本県で地域密着型薬局を5店舗経営する九品寺調剤薬局様では、施設在宅にのみ対応しており、個人宅の在宅に関する知識やノウハウがないのが悩みでした。そこで、きらりプライムサービスでは薬局スタッフ全員に向けて、「在宅薬局の始め方」という説明会を開催します。これにより、薬剤師や事務員等、現場スタッフ全員が在宅への理解を深め、薬局全体が一丸となって個人在宅訪問をスタートさせることができました。

個人宅の在宅患者獲得に向けて、ケアマネジャーへの営業サポートも実施し、新規で4名の在宅患者さんの獲得に成功。現在は薬局が主体となって周知活動を行い、順調に在宅患者さんを拡大しています。

詳しい導入事例はこちら ▶「【患者獲得支援】本当の地域密着を目指して在宅へ。」

2-2. 周辺施設への営業サポートによる新規開拓

群馬県のぽっぽ薬局様は、施設在宅の患者さん80人が一斉に対応から外れるという事態が発生し、きらりプライムサービスに相談されました。

きらりプライムサービスでは、弊社営業スタッフに同行してもらい、ぽっぽ薬局様に実際の営業手法を学んでいただきました。営業では、遠慮なく薬局をアピールすることがとても大事です。在宅薬局の必要性の伝え方、薬局のアピール方法を、実際の営業の場で体感していただきました。

また、コストをかけずに行える、店内レイアウトの変更やオペレーション面の改善も実施。きらり薬局の具体的なノウハウをお伝えし、在宅薬局に適した体制を整えていただきました。現在は在宅患者さんの数も回復し、「在宅といえばぽっぽ薬局」と言ってもらえるよう、地域医療への貢献に取り組まれています。

在宅薬局の周知活動は、一般的な営業とは異なります。在宅薬局の営業に長けた弊社営業スタッフによるトークやアピールを一度ご体験いただくことで、確度の高い営業が行えます。

詳しい導入事例はこちら ▶【患者獲得】在宅をコツコツと増やすために

2-3. 新規で個人宅13名、施設60名の在宅患者を獲得

佐賀県のあさひ薬局様は、当時6店舗展開していましたが、すべて外来のみ。在宅ははじめての試みで、患者獲得のために何をすべきかわからない状態でした。

きらりプライムサービスでは、「在宅患者の確保」と「地域支援体制加算の算定」を目標として、営業計画を策定。弊社営業スタッフに同行してもらい、実際の営業手法を学んでいただきました。訪問すべき施設・話す内容・断られた施設への対応など、在宅薬局の営業のすべてを経験してもらい、少しずつテクニックを習得していただきました。

きらりプライムサービスを1年弱活用いただき、個人宅13名、施設60名の在宅患者さんの獲得に成功します。担当した弊社営業スタッフは、薬剤師かつケアマネジャーの資格保有者で、きらり薬局への患者さん誘致を10年以上行ってきた実績があります。在宅に詳しく、薬局の営業に特化したノウハウがお伝えできるのも、きらりプライムサービスの強みです。

詳しい導入事例はこちら ▶【患者獲得支援】在宅患者は計画的に増やせる!!

2-4. 在宅患者2名→20名超へ、サポート終了後も自力で1施設獲得

大阪府の泉尾くりはし薬局様は、当時個人宅2名で、本格的に在宅に取り組むためのアクションを起こしたいと考えておられました。

きらりプライムサービスでは、在宅患者獲得に向けて、コンサルティング支援を行います。特に注力したのは営業活動のサポートで、パンフレット等の広報物政策・営業対象施設のリスト化・弊社営業スタッフへの同行を実施しました。月2回ほどの営業活動と並行して、医療や介護についての座学研修も行い、営業ノウハウと在宅関連知識の習得をサポートしました。

営業活動を通して地域とのつながりが生まれ、地域を包括的に対応しているケアマネジャーとも連携が取れるように。結果として、個人宅と施設2つが決まり、在宅患者さんが20名に増加。きらりプライムサービスのサポート終了後も営業活動を実施し、1施設の獲得に成功しておられます。

きらりプライムサービスの在宅患者獲得支援では、営業の内製化もサポートしています。泉尾くりはし薬局様は、在宅患者80名を目標に、店舗展開も検討中です。

詳しい導入事例はこちら ▶【患者獲得支援】イチから在宅患者80名を目指して。

2-5. 「ファムケア」で報告書業務を効率化し、患者拡大へ

福岡県のつどい薬局様は、わずか2人の薬剤師で100名を超える在宅患者さんに対応していました。在宅患者さんの数が多いゆえに事務作業は大きな負担であり、特に報告書業務では「作成→印刷→FAX送信」という工程に時間がかかりすぎていることが課題でした。

つどい薬局様は、当社の在宅支援システム「ファムケア」のデモを見た際に、「これならば患者情報の整理・管理に役立つ」と判断し、導入に踏み切ります。ファムケアでは、端末上で報告書の作成からFAX送信までが行えるので、業務効率が飛躍的にアップ。レセコンと連動すると直感的な操作で報告書を記載でき、報告書に係る業務時間を1件あたり10分程短縮できました。

ファムケアはクラウド型なので、薬剤師間の患者情報の共有や、移動時間の有効活用にも役立ちます。ファムケアの導入によって、つどい薬局様では、さらなる在宅患者さんの拡大にも前向きに取り組めるようになりました。

ファムケアは、きらり薬局の在宅現場の声から生まれた自社開発システムです。現場の反応をもとにバージョンアップを繰り返し、今では「在宅になくてはならないシステム」と言われるほど薬剤師の方々に重宝されています。今後もファムケアはブラッシュアップを重ね、より使いやすいシステムをめざします。

詳しい導入事例はこちら ▶【業務効率化】ファムケアで在宅患者をもっと増やす!

2-6. 緩和ケアを学び、終末期患者さんのニーズに対応

東京都の薬局やくも様は、コロナ禍の収束に伴い在宅患者さんが減少したことが悩みでした。きらりプライムサービスで在宅患者獲得サポートの結果、患者さんの増加に成功。その一方で、薬局に求められる知識・技術は、より専門性を増していきました。

そこで、きらりプライムサービスでは、ご希望のあった緩和ケア研修を実施します。長年緩和ケアに取り組んできた薬剤師が、PCAポンプの取り扱いや麻薬調剤の手技を体系的にレクチャーしました。その後、薬局やくも様では緩和ケアが必要な終末期患者さんの受け入れも積極的に行い、現在は50名以上の在宅患者さんを抱えています。

このように、きらりプライムサービスでは、薬局のお困りごとやお悩みに応じた教育研修サービスを実施しています。薬局の強みづくりやウィークポイントの克服にお役立てください。

詳しい導入事例はこちら ▶【患者獲得支援】在宅患者を増やし、開局から1年で黒字化へ

まとめ

在宅患者さんを獲得するには、在宅薬局としての強みを持つこと、医療機関や施設とのつながりを持つことがポイントです。

きらりプライムサービスでは、在宅患者獲得までのプロセスを多面的にサポートしています。薬局が強みを持つために必要となる薬剤師の育成や在宅体制の整備のほか、業務効率化や営業活動も支援し、抜本的な経営改善を図ります。

「患者獲得のために何から始めればいいのかわからない」という薬局経営者の方も、まずは一度、きらりプライムサービスにご相談ください。在宅患者さんを獲得するための一歩を踏み出しましょう。

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