「薬局DX」で経営課題解決を実現! 活用できるサービスとは?

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「薬局DX」で経営課題解決を実現! 活用できるサービスとは?

1. 「薬局DX」とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術によって企業の組織や仕組みに変革を起こし、競争優位性を確立することです。2018年に経済産業省が公表したDXレポートを受けて、多くの企業がDX化に取り組んでいます。

「薬局DX」とはその名の通り、薬局で行うDXのことです。デジタル技術の導入によって、薬剤師不足や対人業務の充実化といった課題を解決し、新たなビジネスモデルの構築を目指します。

2022年、厚生労働省が公表した「薬局薬剤師DXの推進について」では、「患者のための薬局ビジョン」(2015年)の実現に向けた薬局DXの必要性が述べられました。対物業務から対人業務へ移行するためには、薬局DXによって薬局経営そのものを見直す必要があるのです。

1-1. DXとIT化・デジタル化の違い

DXと混同されやすいものに、IT化とデジタル化があります。これらは厳密には異なる意味を持つため、正しい知識を押さえておきましょう。

デジタル化

アナログの情報をデジタル化して、パソコンなどで扱える状態にすること

IT化

インターネットなどの通信技術を活用し、業務プロセスの一部をデジタルに置き換えて業務効率化を図ること

DX

デジタル技術の導入により、製品やサービス、ビジネスモデル、企業文化・風土といった包括的な変革を行うこと

デジタル化したものを活用して業務効率化を図るのがIT化、そしてデジタル化やIT化を取り入れつつビジネスそのものに変革を起こすのがDXです。IT化やデジタル化は、DXを実現するための手段と言えます。

たとえば、紙の薬歴を電子薬歴にするのがデジタル化、電子薬歴を活用して薬歴業務の集計・分析を自動化するなど業務効率化を図るのがIT化です。そして、電子薬歴やその他のデジタル技術を用いて、患者さんや医療機関との関係性の深化や、業務プロセスの変革など、組織そのものの変革をめざすのがDXとなります。

薬局DXを進めるためには、最終的な目標となる業務体系やサービスを明確にし、それを達成するためのデジタル化・IT化を採用することが大切です。導入したシステムを活用できなかったということがないよう、計画的に薬局DXを進めましょう。

2. 薬局DXで実現できること

医療業界はDXの前段階であるデジタル化でも他業界に遅れを取っているのが現状で、薬局も例外ではありません。しかし、薬局DXを実現できると、薬剤師と患者さん双方のストレスが軽減し、より充実したサービスの提供が可能となります。

では、薬局DXによって、具体的にどのような課題が解決できるのでしょうか。ここでは、薬局DXで実現できる4つのビジョンを紹介します。

2-1. 薬剤師の業務負荷の軽減

従来手作業であった業務をデジタル化・自動化することで、薬剤師の業務負荷が軽減します。薬剤師の残業が多い、患者数が増えて対応できないなどの課題がある場合は、上手にデジタル技術を取り入れることで業務改善を図れます。

薬剤師業務の効率化・自動化の例

導入ツール

概要

メリット

電子薬歴

デジタルデータとして、薬歴の記録・管理を行うシステム

・クラウド型なら場所を問わず入力・閲覧が可能

・薬歴作成が効率化する

・複数店舗間で情報共有ができる

クラウド型報告書作成システム

在宅訪問での報告書作成を補助するシステム

・訪問先でも入力が可能

・算定・記入漏れ、送付漏れを防げる

・リアルタイムで情報共有ができる

在庫管理システム

医薬品の在庫管理を行い、発注業務や入出庫業務を効率化するシステム

・AIにより最適な発注数を算出でき、発注に悩む手間が減る

・系列薬局の在庫や不動在庫(デッドストック)の把握が可能

・在庫の有効期限が一目で確認できる

調剤ロボット

医薬品の選択、秤量、配分、分割、分包までを行うロボット

・調剤業務に充てる時間を削減できる

・ヒューマンエラーを防止できる

・調剤業務にかかる時間が短縮する

さまざまなメーカーからシステム・ツールが発売されており、それぞれ特徴が異なります。たとえば電子薬歴なら、ボタンを押せば数分で作成できるものもあれば、薬剤師が細かく注意点を入力できるものなどさまざまです。使い勝手やコストパフォーマンスなどを総合的に判断し、自分の薬局に合ったツールを選びましょう。

2-2. 患者さんの履歴管理によるサービスの充実化

患者さんの情報をデジタルデータで管理すると服薬状況を把握しやすくなり、より的確な服薬指導を実施できます。

たとえば、電子薬歴では、過去と現在の処方内容を簡単に比較できます。服薬方法や副作用に関する画一的な指導ではなく、そのときの患者さんにぴったりの服薬指導が行えるでしょう。情報量が多い分、患者さんとのコミュニケーションも深まり、患者さん一人ひとりに応じた丁寧なアドバイスが行えます。

また、電子処方箋を用いれば、処方薬の飲み合わせや重複投薬のチェックがスムーズに行えるので、より安全な薬物療法を提供できます。患者さんについての情報をより多く、そして正確に把握するためにも、デジタル技術を活用しましょう。

2-3. オンライン服薬指導の適正化

薬局DXで忘れてはならないのが、オンライン服薬指導です。2022年調剤報酬改定では、オンライン服薬指導が大幅に規制緩和され、より身近に使えるサービスとなりました。現在では、薬剤の使用方法や説明資料を画面に映しながら、より対面に近い形でのオンライン服薬指導が実現しています。

オンライン服薬指導とは

スマートフォンやタブレットなどの情報通信機器を用いて、画面上で行う服薬指導のこと。患者さんは自宅にいながら、服薬指導から薬の受け取りまでを行える。外出困難な高齢者や、多忙な子育て世帯などからの需要が見込まれるサービス。

オンライン服薬指導の実施にあたっては、薬局内にテレビ電話機能を持つ情報通信機器の設置が必要です。また、オンライン服薬指導を安全に実施するために、薬剤師にはITリテラシーや情報セキュリティに関する教育も求められます。

オンライン服薬指導のメリット

  • 在宅訪問との併用により、薬剤師の在宅業務負担を軽減できる
  • 医療過疎地に住む患者さんに適切な服薬指導が行える
  • 薬剤師のリモートワークを実現できる
  • 患者さんの来局にかかる移動負担や感染リスクを軽減できる

上記のようなメリットがある一方で、オンライン服薬指導では患者さんのささいな変化に気づきにくい、受け取る情報が少ないなどの懸念があります。そこで活用したいのが、電子薬歴や電子処方箋です。これらのツールを導入すると、より多くの情報をやり取りできるため、オンライン服薬指導の質を上げることができます。

薬剤師がリモートワークでオンライン服薬指導を実施する際にも、電子薬歴・電子処方箋があれば、薬剤師・薬局・患者さんの間でスムーズなやり取りができます。オンライン服薬指導をより便利かつ安全に実施するためにも、デジタルツールの導入を検討しましょう。

2-4. 在宅訪問サービス展開

薬局DXによって業務改革を促せば、在宅訪問にまつわる人材不足や業務負担などの課題を解決できます。オンライン服薬指導、データのクラウド管理、調剤業務の自動化、リアルタイムでの情報共有などを実現させ、在宅業務を円滑に進めましょう。

薬局DXによって進められる在宅訪問の課題例

  • 薬剤師が不足しているので在宅訪問ができない

✓オンライン服薬指導を用いてリモート薬剤師を採用する
✓調剤業務・事務業務の自動化によって業務効率化を図る

  • 医療機関や多職種との連携がうまくできない

✓クラウド型システムによってリアルタイムな情報共有を実現する
✓電子処方箋を導入して服薬情報の一元的・継続的管理を行う

人手不足を理由に在宅訪問を諦める前に、まずはITツールやシステムの導入によって薬剤師の業務を削減できないかを考えましょう。システムをうまく使えば、1の在宅訪問にかかる時間を短縮できるため、限られた薬剤師の数でも無理なく在宅訪問件数を増やすことができます。

また、医療機関・多職種との情報共有では、ICTを導入してリアルタイムなやり取りを実現しましょう。在宅医療で重要となる多職種連携を円滑にできれば、地域包括ケアにおける薬局のポジションを確立できます。

3. 薬局DX推進をサポートする「KIRARI PRIME サービス」

薬局DXの重要性は理解しつつも、導入の仕方がわからない薬局経営者の方も多いでしょう。在宅薬局のノウハウをお伝えして薬局経営の課題解決に取り組む「KIRARI PRIME サービス」では、在宅訪問を円滑にするためのDXもご提案しています。

ここでは、「KIRARI PRIME サービス」の数あるサービスのうち、在宅業務の効率化・患者獲得に役立つものをご紹介します。

3-1. 在宅支援システム「ファムケア」

在宅訪問に特化したシステムを導入すると、在宅訪問にかかる薬剤師の業務負担を軽減させ、1日あたりの訪問軒数を無理なく増やすことができます。「KIRARI PRIME サービス」の「ファムケア」は、在宅訪問における報告書作成業務の効率化を図るクラウド型報告書管理システムです。

クラウド型報告書管理システム「ファムケア」の特徴

  • 訪問先や外出先で報告書の作成・送信が可能
  • 在宅に特化した入力補助機能で報告書作成がスピーディー
  • レセコン情報との照合により、算定漏れ・記録漏れを防ぐ
  • トレーシングレポートの作成・管理・集計が行える
  • 複数店舗間でリアルタイムな情報共有ができる

ファムケアでは、システム上から医療機関にメッセージを送信できるので、患者さんの細かな情報を気軽に共有できます。複数店舗間や薬剤師間でもリアルタイムな情報共有が行えるので、オンコール体制の構築にも役立ちます。

操作がシンプルなので、デジタル機器の操作が苦手な薬剤師でも安心して利用できるのもファムケアの魅力です。実際に在宅現場で働く薬剤師の意見をもとに改善を繰り返しており、在宅訪問で本当に必要な機能のみを備えた無駄のないシステムとなっています。

3-2. 在宅患者獲得サポート

在宅患者さんが少なく、在宅訪問業務の運営に困っているという場合も、「KIRARI PRIME サービス」にご相談ください。「在宅患者獲得サポート」では、薬局の特性や地域性に合わせた患者獲得をサポートしています。

「在宅患者獲得サポート」でできること

  • 薬局の体制やエリアをもとにした患者獲得手法の公安
  • 薬局の強みをアピールするパンフレット・チラシの作成
  • 地域の医療機関や介護施設への営業活動

在宅患者獲得サポートでは、薬局のPRポイントやパンフレットのデザインを一緒に考え、薬局の営業活動を一からサポートします。医療サービスを拡充させる方法や、オンコール体制の構築についてご提案することも可能です。

これまでの薬局は、処方箋を待つ受け身の姿勢でしたが、今後は地域住民や地域住民や医療機関へ対する積極的な働きかけが求められます。KIRARI PRIME サービスが具体的な営業ノウハウをお伝えするので、ぜひ薬局の営業力強化に役立ててください。

 

まとめ

薬局DXは、デジタル技術の利活用によって、薬剤師の働き方や薬局の組織体制を変革することを言います。薬局DXによって、薬剤師の業務負担軽減、在宅訪問推進、人材不足解消などが実現できます。

オンライン服薬指導は、薬剤師の多様な働き方を叶えるために有用なツールです。電子薬歴や電子処方箋と組み合わせると、より質の高い服薬指導が実施できます。

「KIRARI PRIME サービス」は、在宅薬局のノウハウをお伝えし、薬局経営にまつわるさまざまな悩みを解決へと導くサブスクリプションサービスです。薬局DXを始めたい薬局経営者の方も、ぜひ「KIRARI PRIME サービス」にお問い合わせください。

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監修薬剤師:原 敦子
HYUGA PRIMARY CARE株式会社
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【当コラムの掲載内容に関するご注意点】
1.当コラムに掲載されている情報につきましては、事実や根拠に基づく執筆を心がけており、不適切な表現がないか、細心の注意を払っておりますが、その内容の正確性、有効性につき何らかの保証をあたえるものではなく、執筆者個人の見解である場合もございます。あくまで、読者様ご自身のご判断にてお読みいただき、ご参考に頂ければと存じます。
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