調剤薬局の現在と今後について詳しく解説!

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調剤薬局の現在と今後について詳しく解説!

調剤薬局を経営していたり管理者をしている方は気になる「調剤薬局の未来」。

調剤報酬改定によって不安に考える方も多いかもしれません。

今回は調剤薬局の現在と今後について、課題と解決策を網羅して解説していきます!

目次

調剤薬局の現在の課題はどんなことがある?

調剤薬局の課題はどんなことがあるのでしょうか?

調剤報酬の面と薬剤師の質に関して記載したので是非チェックして下さい。

課題①厳しくなる調剤報酬額

医療費の削減を国が求めていることから調剤薬局の経営や存続にも影響が出始めています。

2年に1度実施される調剤報酬改定ですが、薬局の売り上げになる調剤基本料や技術料などの報酬点数が徐々に減っていることが課題となっています。

国が課題として掲げるかかりつけ薬局や対人業務の充実を発揮することが出来れば、安定した薬局経営を行えます。しかし既存の薬局のまま経営をしていると今後生き残りが出来ない可能性があることを理解しておきましょう。

課題②対人業務の質の確保

厚生労働省は対物から対人へと薬剤師の未来像を求めています。

より患者さんに対して適切な薬物治療を提供したり、医療費削減の担い手になるような薬剤師を目指して将来を考えています。

2019年4月2日に厚生労働省から出た通称「0402通知」に基づくと、調剤薬局事務員が調剤補助業務を実施して、薬剤師がより対人業務に専念できる環境を推奨しています。

つまり薬剤師は昔よりも、服薬指導や訪問調剤に力を入れて医療の質を高めることが期待されています。

一方でその対人業務の質をどう評価・判断するのか?前向きに取り組んでいる薬局だけでなく、薬局業界全体の質の押し上げも課題になってくると予想します。患者さがどの薬局に行っても同じように質の高い医療を提供できるのかを、私たちは考えていかなければいけないでしょう。

調剤薬局の今後は明るいのか?

捉え方にもよりますが、真摯に患者さんに向き合って質の良い医療を提供する調剤薬局であれば将来明るいと感じます。
時代を先読みして国の政策に沿ったチャレンジをしたり、地域包括ケアシステムに参画すること、そして病院や施設と連携をしてい
ことが必要になるでしょう。

そして地域の方が何時でも薬局に対して気軽にアクセスできる環境を整備することが大切です。

  • 医療・薬物治療の進歩に応じた新たな役割を創る
  • 地域に密着した健康ステーションの役割を創る
  • 医療チームにおいて多職種から評価される薬剤師像を創る
  • 地域の医療・介護提供体制を創る

これらの項目を考えて動いている薬局の未来は明るいと言えます。

加えて、薬局の未来を考える際にキーワードの1つとして地域支援体制加算が挙げられます。

厚生労働省は2025年までにすべての薬局をかかりつけ薬局へと掲げています。

かかりつけ薬剤師による適切な薬学的管理や情報提供だけでなく、在宅医療などあらゆる処方箋に対応する体制、安全性向上に対する取り組みなど地域医療に貢献する薬局が生き残ると厚生労働省がメッセージを送っています。
個人個人が地域支援体制加算を取得しなければ薬局として生き残れないという危機感を持つべきです。今後は地域密着のかかりつけ薬局の未来が明るいと言えるはないでしょう

厚生労働省が2025年までに目指す薬局業界の考え

厚生労働省の患者のための薬局ビジョンによると2025年を目途に住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

薬局においてはこの地域包括ケアシステムを担うことを重要視しています。

薬剤師が考えるべき項目は以下の通りです。

・多剤における重複投薬や飲み合わせの確認

・医師への疑義照会

・丁寧な服薬指導

・在宅対応も通じた継続的な服薬状況

・副作用等のモニタリングと医師へのフィードバック

・処方提案

・残薬調整

以上の項目でより患者さんが主体となり、医薬分業のメリットが実感できる未来を目指します。
キーワードとして地域連携薬局と専門医療機関連携薬局を挙げて説明していきますので、是非チェックして下さい。

地域連携薬局

外来受診時だけでなく、在宅医療への対応や他の医療提供施設との服薬状況の一元化と継続的な情報連携に対応できる薬局を指します。地域の医療機関で働く医療従事者と連携体制を構築したり、他の薬局に対する医薬品の供給や研修等の実施などをする取り組みをする薬局となります。

専門医療機関連携薬局

がん患者さんに対して、がん診療連携拠点病院等との密な連携をしたり、高度な薬学管理と専門的な医療を提供する薬局です。がん情報の発信もしていく薬局となります。

現在の調剤薬局に関しての課題の解決方法とは?

ではどうやって現在の調剤薬局の課題を解決すれば良いのでしょうか。

解決策を3つほど考えてみたので是非参考にして下さい。

解決策①在宅医療に力を入れる

医療費の削減にも貢献出来る点からも薬剤師による在宅医療は非常に重要な業務となります。

外来の処方箋だけを受け入れる薬局ではなく個人在宅や施設在宅など薬局外に出て医療貢献をする薬局を目指しましょう。在宅医療は地域包括ケアシステムの機能として薬剤師が関われる業務の1つです。特に残薬調整や医師に対しての処方提案、ケアマネージャーなどへの情報提供などチーム医療としての効果を発揮して、これからの薬局に求められる在宅医療に力を入れておきましょう。

解決策②地域活動を積極的に行う

薬局と地域や行政と一緒に医療系のイベントなどを実施してみましょう。

例えば町内会における勉強会や中核病院との多職種合同勉強会を実施したり、地域包括センター側で使い易い薬学的なリーフレットを作成するなど薬局が他業種と協働していくことが大切です。患者さんに総合的な医療を提供できるように地域一体となって活動し続けることが重要になっていきます。

解決策③ICTを導入する

厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」ではICTを活用した服薬情報の一元化・継続的把握を1つ掲げています。電子薬歴は主流となり、AIによる調剤支援や医薬品管理、オンラインによる服薬指導など最先端の技術を駆使した薬局作りが求められています。薬剤師の質をアップして患者さんに適切な医療を提供するためには薬局側がICT関連を吸収して前向きに変化をしていく必要があります。

まとめ

調剤薬局は今、変革の時代へと突入しています。

経営を左右する調剤報酬の不安や薬剤師の質の確保が課題として挙げられている中で、国策に沿った薬局作りや患者さんに対して信頼関係を築けるような薬剤師を育てることが大切です。キーワードは在宅医療や地域連携など薬局外での活動になり、医薬品のことならなんでもお任せ下さいと言える調剤薬局が明るい未来を掴むでしょう。
ICTの活用も恐れずに前向きにやる精神で薬剤師ライフを過ごして下さい。

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監修薬剤師:原 敦子
HYUGA PRIMARY CARE株式会社
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