在宅薬局運営を始めるに必要なノウハウは?

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在宅薬局運営を始めるに必要なノウハウは?

高齢者の割合が増えるにつれて、在宅医療を行う薬局も増えてきました。2015年に厚生労働省が発表した「患者のための薬局ビジョン」にもあるように、今後は在宅対応ができる薬局が必要とされます。もはや、生き残る薬局になるためには在宅医療を始めることが条件ともいえるでしょう。

しかし、実際に在宅医療を始めようと思っても「上手くいくのかな?」「どうすればうまく在宅薬局を運営できるのだろう」と不安になってしまうことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、在宅薬局を運営するノウハウや、運営に必要な基礎知識を紹介します。

目次

在宅薬局運営に必要なノウハウは?

書類を用意して申請し、受理されれば後は簡単な準備だけで始められる在宅医療。参入障壁はそこまで高くありませんが、在宅医療を始めたからといってすぐに軌道に乗るわけではありません。

ノウハウ①営業をして在宅の処方箋を獲得する

厳しい現実かもしれませんが、在宅の患者さんはじっと待っているだけでは現われません。「在宅医療を始めませんか?」とこちらからアプローチしていかなければ、患者獲得にはつながらないのです。

  • 近隣の病院の医師に在宅医療を行っていることを伝える
  • 患者さんに直接、在宅医療を利用してみないか声をかける

など、能動的に行動していく必要があります。患者さんを待つのではなく、こちらから獲得しにいくつもりで動きましょう。

ノウハウ②医師との同行日や定期日の摺り合わせ

在宅医療は、薬剤師だけで患者さん宅に行くこともあれば、医師と同行することもあります。
同行の場合は、互いに無理がない範囲で日程を調節しなければなりません。


何日の何時からなら同行できるのか、医師と相談し、患者さん含めお互いにのスケジュールに負担がないよう摺り合わせを行います。定期的な訪問が必要な場合、いつを定期日にするか打ち合わせすることも大切です。

ノウハウ③店舗で働く方の導線確保、人の確保

在宅医療を始める際に気にしなければならないのが、店舗に残って業務を続けるスタッフの確保です。単純に在宅に向かう薬剤師の人数分だけ人員が減るため、薬局の業務が回らなくなる可能性があります。

在宅に行く時間を調整するのも一つの手ですが、薬局に残っているスタッフの負担を考えれば人員を確保しておくのが無難な方法です。

ベースの人員を増やすか、もしくは在宅に行く時間帯だけパートに来てもらって人員を厚くするなど対策を考えましょう。また、薬局に残っているスタッフでも問題なくオペレーションを実施できるようにしておくことも重要です。

在宅薬局運営に必要な基礎知識は?

在宅薬局を運営するためには、通常の薬局で働くのとはまた違った知識が必要になります。問題なくスムーズに在宅利用を行うためにも、最低限の知識をもっておきましょう。

基礎知識①介護保険の知識

在宅医療は、介護保険が適用となる場合があります。介護保険とは、介護費用の一部を給付してくれる保険のことです。国民全員が加入している健康保険とは違い、介護保険には1か月に利用できる金額に上限があることに注意しなければなりません。

限度額は介護度の重さによって決まります。また、介護保険を使うためにはケアプランの作成も必要です。介護保険は好きなときに好きなだけ使えるというわけではないので注意しましょう。

また、薬剤師による居宅療養管理指導の場合は限度額対象外となるので覚えておくとよいでしょう。

基礎知識②在宅医療でよく出る薬の知識(輸液や栄養剤の知識)

在宅医療では、輸液を扱う機会もあります。調剤薬局では輸液を扱うことがなかなかないため、初めて手にする方はとまどってしまうこともあるでしょう。どの輸液がどういった特徴をもっているのか、在宅医療を始める前にしっかりと押さえておくべきです。

また、エンシュアリキッドやアミノレバンEN配合散、ラコールNF配合経腸用液の栄養剤に触れる機会も増えます。最低でも輸液と栄養剤については学んでおきましょう。

在宅薬局の研修

在宅薬局の研修は調剤と監査だけを実施するだけではありません。ここでは在宅に力を入れている薬局の研修をご紹介します。

社会人としてのマナーや接遇

在宅医療は患者さんのお宅に入ることがあり、礼儀など接客対応など社会人としての基本的なマナーを身に付ける必要があります。

例えば薬局内で親しみを込めた接客をして患者さんに喜んで貰えても、いざはじめての在宅医療を実施する際には「口調が馴れ馴れしい」と叱責を受ける可能性も出てきます。
同じ現場で働いているとあいさつや名前を名乗ることを忘れがちになってしまいますが、在宅薬局の研修ではまずマナーや接遇を受けることがあります。

処方解析と処方提案

医師の処方解析を研修で実施する薬局もあります。実際の現場をイメージしたロールプレイングをしたり、グループで患者さん役と薬剤師役に分かれて研修を実施することもあります。

また、闇雲に処方解析をするだけではなく、医師への伝え方や処方提案のステップまで研修を実施することもあります。在宅医療では医師からの質問に素早く、正しい答えを求められる場面があります。

きらり薬局における在宅の研修

HYUGA PRIMARY CARE(きらり薬局)の在宅研修を少しだけ見てみましょう。

オペレーションとして先ずは店舗体制・準備についての理解を深めます。

在宅業務を行っていくには薬学的な知識だけでなく、医療保険と介護保険の知識も必要です。また、店舗を効率よくマネジメントしていくためのヒト(店舗スタッフ、患者さん)の管理や体制づくりが大切です。

在宅業務と通常の外来業務を両立して行うには、慣れない在宅業務をいかに効率良く行い、ヒトを管理していくかがポイントとなってきます。

きらり薬局の在宅研修には、人員体制を含めたマネジメント、訪問・配薬スケジュールを含めた行動管理をより具体的に紹介出来るコンテンツも含まれます。

また、在宅業務を円滑に進めていくためのポイントになる医療機関との連携や、ご家族を含めた患者さんとのコミュニケーションについても詳しく解説されています。

次に現場での調剤と監査です。

研修内では、在宅患者さんに対応するうえでの調剤上の工夫や、配薬までの工程で非薬剤師が関わることで薬剤師の対人業務の時間を捻出し、患者サービスの向上に寄与している部分が紹介されています。

在宅業務を進めていくと、麻薬や無菌調剤の対応が必要になってくる場面も想定されますが、PCAポンプの対応方法、無菌調剤の手法等も研修内容に含まれています。

また今後注目されてくるオンライン服薬指導の解説もあります。

この研修を通して在宅業務の準備ができ、現場スタッフも安心して在宅業務へ一歩を踏み出せるのではないでしょうか。

まとめ

生き残る薬局になるには在宅医療は避けて通れません。

在宅薬局のノウハウは、施設営業を実施したり、積極的に医師と同行をして訪問が出来る薬剤師になれるとチャンスも広がるでしょう。薬の知識だけでなく介護保険を在宅医療に関わる方にも話せるのが前提にあり、ノウハウを取得することで頼られる薬剤師になれると感じます。

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